ホールジーのニューアルバム「If I Can’t Have Love, I Want Power」が8月27日金曜日にリリースになりました。今作がホールジーにとって4枚目のオリジナルアルバムとなります。ホールジーといえばザ・チェインスモーカーズとの「Closer」をはじめ今までに、ジャスティン・ビーバー、BTS、マシメロなどとのコラボ、そして過去にリリースになったアルバム3枚全てがチャート1位か2位、世界総売上枚数1600万枚以上、などアメリカのド真ん中ポップという印象が強いですが、今作は今までとは全く違うアルバムになっています。
では、この「If I Can’t Have Love, I Want Power」のリリースまでの流れを説明していきます。USチャート1位、UKチャート3位となった「Without Me」も収録されている前作「Manic」がリリースになったのが昨年の1月です。その後コラボレーション曲を集めたEPやライブアルバム、サウンドトラックへの楽曲提供などもしています。個人的にすごく覚えているのは、昨年9月のマシンガン・ケリーとの「forget me too」です。
マシンガリー・ケリー、そしてブリンク-182のトラヴィス・バーカーとのコラボでポップパンク、ロックな楽曲で歌うホールジーが凄く印象的だったのを覚えています。その時「昔はパラモアのヘイリーの様になりたかった」など、ポップパンクからの影響を話していたのも印象的でした。
アルバムリリースの発表は2021年6月28日。アメリカの主要都市にプロモーションの巨大広告が出され、同じ日にホールジーがSNSでも発表しています。
Halsey has announced their fourth album, 'If I Can’t Have Lo…
そして今作の注目すべき点はまずコンセプトアルバムであるということです。アルバムは今までとは全く違うサウンドイメージで作られ、一つの大きなコンセプトがあります。アルバムもトラックの切り替わりが流れとして作られています。まずサウンドはナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナーとアッティカス・ロスがプロデュースしています。明らかにナイン・インチ・ネイルズのムードが漂っていますね。
そしてナイン・インチ・ネイルズのみならずロックのスーパースター達が多数参加。フー・ファイターズのデイヴ・グロール、元フリートウッド・マックのリンジー・バッキンガム、ザ・バグのケヴィン・マーティン、TVオン・ザ・レディオのデイヴ・シーテック、カリーム・リギンス、ミート・ビート・マニフェストもアルバムに参加しています。デイブ・グロールは「Honey」に参加していますね。
そして今回のコンセプトの中心となっているのは、「彼女自身が感じている妊娠や出産への喜びと恐怖」。7月14日に第一子となるエンダー・リドリー・アイディンが生まれたホールジー。この作品は、この経験からかなりのインスピレーションを受けてる様です。そのビジュアルイメージはアルバムのカバーアートワークやMVに存分に落とし込まれていますね。今回のアルバムカバーアートワークではホールジーが乳房を露わにしたものとなっていますが、これは画家ジャン・フーケの作品「ムランの聖母子」のオマージュ。
女性の身体や授乳に関する偏見をなくしたい、という想いが込められているのだそう。ホールジーは先日公園で授乳ケープを使わずに堂々と授乳する姿をSNSに投稿しています。近年、「授乳を性的なものとしてとらえるのはやめよう」」という声も多くあり、公園という他人の目がある場所で、ごく自然に授乳する様子を公開したホールジーには賛成派から称賛の声が上がっています。
7月に第1子を出産したシンガーのホールジーが公園で我が子に授乳する様子を写した写真を公開。ハリウッドの“新・ご意見番ママ…
このアートワークが公開された映像も非常に印象的でした。YouTubeのライブストリーミングで公開された映像です。大きなお腹を抱えてニューヨークのメトロポリタン美術館を訪れたホールジーが 館内の美術品を鑑賞した後、赤い幕で覆われた作品の前で立ち止まり、その後勢いよくその幕を引っ張り、「If I Can’t Have Love, I Want Power」のジャケット写真を披露、という感じでした。
今回はリリースになったばかりの「If I Can’t Have Love, I Want Power」をピックアップしました。今後のチャートの動きが気になります。曲も入ったラジオスタイルでのpodcastはSpotifyでお聞きください。