今回はここ最近の海外ポップスターのドキュメンタリーのブームについてお話しします。本当にここ数年、特にこの1~2年、海外ポップスターのドキュメンタリー作品が多いんですね。ニューヨーク・タイムズのポッドキャスト、Popcastでもその様子は取り上げられています。
A conversation about the influx of films made about (and by)…
Popcastでは「今までドキュメンタリーっていうと結構なキャリアを持ったスターに限られたものだった、でも最近はキャリアの初期段階で作られている」という風にコメントされてますね。
私もこの1ヶ月で結構な数の海外ポップスタードキュメンタリーを見ました。ピンク、J・バルビン、ブラックピンク、テイラー・スウィフト、ビリー・アイリッシュ、ショーン・メンデス、アリアナ・グランデ。まだまだあるので全てを見た訳ではないんですが、今名前を出したこれら全て2020年、もしくは2021年に公開されたものなんですね。
2019年に「ビューティフル・トラウマ・ワールド・ツアー」を開催したP!NK。ウェンブリー・スタジアムでの初公演に向け、…
一つずつ軽く紹介しましょう。まず2021年配信のピンクのドキュメンタリー「All I Know So Far」。これは2019年に開催した「ビューティフル・トラウマ・ワールド・ツアー」に密着したAmazonオリジナルのドキュメンタリー映画で、Amazon Primeで見ることができます。サントラ的な位置付けのアルバム「All I Know So Far: Setlist」もリリースしていて、ウェンブリー・スタジアムからのライブ音源が12曲分、そして別の公演からクイーンのカバーも2曲収録されています。
そんなところまで映すのか、というくらいピンクのプライベートな部分がガンガン映っていて、ピンクのノーメイクも映されていますし、子どもも映ってます。ピンクのワールドツアーに密着しながら、アーティストとしてのピンクと同時に母としてのピンクも映していて、子ども達とのプライベートなところをかなり映しています。
同じくAmazon Primeで公開されているJ・バルヴィンのドキュメンタリー「J・バルヴィン~メデジンから来た男~」。こちらは2020年に配信がスタートしました。故郷のコロンビア、メデジンのスタジアムでのライブに向けてのドキュメンタリーです。これはJ・バルヴィンの事がみんな好きになるんじゃないですかね。下積み時代からキャリアを積み上げていく姿、そしてスターになって襲いかかるプレッシャー、故郷コロンビアが政治問題で揺れているときに政治的発言をしたくないけどファンに求められるという葛藤、そしてライブ前にこんなにJ・バルヴィンは緊張するのかというライブ前に緊張するシーンも映し出してます。
次々と記録を塗り替えてきた韓国のガールズグループBLACKPINK。それぞれの生い立ちや練習生時代の苦労話から、ステージ…
そして2020年公開のブラックピンクのドキュメンタリー「BLACKPINK ~ライトアップ・ザ・スカイ~」。これは本当に活動の初期から映像があるんですよね。オーディション風景、ブラックピンクがスタートする時のあどけない記者会見といった過去の映像を今のブラックピンクが振り返るんですね。もちろん近しい関係者のインタビューも結構あります。彼女たちがプライベートで行く場所の仲のいい人のインタビューとか。あとはコーチェラに初出演した時の映像もあります。
ソングライターやパフォーマーとして、女性としてのありったけの思いを打ち明ける。テイラー・スウィフトの飾らない姿を映し出す…
そしてテイラー・スウィフトの2020年公開のドキュメンタリー「ミス・アメリカーナ」。これもスターとしての苦悩を描いています。あとはテイラーの政治的な部分も映し出していますね。テイラーは2006年のデビュー以降、一貫して政治的な発言を避けつづけていたんですが、そこから政治的な発言をしていく姿とか。あとはパニック・アット・ザ・ディスコのブレンドン・ユーリーとの曲「ME!」のレコーディング風景もがっつり映っていましたね。
類いまれなる才能を持つティーンエイジャー、ビリー・アイリッシュに密着したドキュメンタリー作品。ツアー、ステージ、そして自…
そしてApple TV+で見ることができるビリー・アイリッシュのドキュメンタリー「ビリー・アイリッシュ:世界は少しぼやけている」。こちらも2021年に公開されました。いつから密着しているのかなというくらい、売れる前からの映像がたっぷり入ってます。ビリー・アイリッシュのデビュー・アルバム「WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?」の制作風景がかなり映し出されています。完全にビリーと兄のフィネアス・オコネルが家で作ったんだなというのが改めて分かるドキュメンタリーですね。家のシーンが凄い多いです。
ワールドツアー中のショーン・メンデスに密着し、スターになった自分、人間関係、ミュージシャンとしての未来について率直に語る…
そして2020年公開のショーン・メンデスのドキュメンタリー「ショーン・メンデス: ありのままの魅力」。過去数年間に渡って撮影されたショーンの私生活が描かれていたり、2019年に北南米、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアで行われたワールド・ツアーの映像も収録されていたり、という内容です。ショーン・メンデスは一度インタビューしたことがあるんですが、本当にナイスガイなんですね。ドキュメンタリーにもナイスガイさが溢れ出ていましたね。
スウィートナー・ワールド・ツアーでロンドンのステージに立つ姿だけでなく、舞台裏や、リハーサル、移動中の様子まで、アリアナ…
そして2020年公開のアリアナグランデのドキュメンタリー「アリアナ・グランデ:excuse me, i love you」。これは今あげた作品に比べると私生活を映している部分は少なめです。ライブビデオに近い感じで、ほぼほぼアルバム「スウィートナー」のワールドツアーのライブ映像で構成されています。
他にも私はまだ見られていないですが、メアリー・J・ブライジのドキュメンタリー
も公開されていますし、あとはYoutubeで見られるものも結構あります。
ガール・イン・レッドのSpotifyオリジナルのドキュメンタリーも面白かったですね。
という感じで色々な作品を紹介しました。ここ数年の海外ポップスタードキュメンタリーは、早ければデビュー前からの映像が使われていて、デビューしてスターになっていく中での苦しさ、弱さみたいなのを描いている作品が多いです。これは映画なのか、ライブビデオなのか、プロモーションなのか、果たしてその全てなのか、なぜここまで多いのか、気になるところは多いですが、とにかくドキュメンタリーブームになっていることは間違い無いです。音楽ニュースを見ていても、ここからの海外ポップスターのドキュメンタリー配信も多くて、配信日もタイトルも発表されていませんがルイス・キャパルディのドキュメンタリーも報道されています。
Lewis Capaldi is releasing a new documentary that captures h…
音楽界のドキュメンタリーブーム。ストリーミングで見られるものが多く、Youtubeでも結構出てきているので、今後に注目です。