ロード「Solar Power」についての情報まとめ

ロード「Solar Power」についての情報まとめ

今回のエピソードではロードのニューアルバム「Solar Power」について掘り下げていきます。ニュージーランドのシンガーソングライター、ロードの3rdアルバム「Solar Power」は8月20日金曜日にリリースになりました。2013年にデビューシングル「Royals」で鮮烈なデビューを果たし、第56回グラミー賞では最優秀楽曲賞を受賞。そしてそれに続く2ndアルバム「Melodrama」を2017年にリリース、今回はそれに続く約4年ぶりのアルバムリリースとなります。

このアルバムのリリースの経緯から。2017年の「Melodrama」のリリース、そしてそれに伴うワールドツアーの後、目立った動きのなかったロードですが、昨年に実はシーンへの帰還をほのめかしておりました。

ニュージーランドの総選挙の際に投票をファンに促しながら、「来年何かの動きがあるかも」とほのめかしています。そしてその翌月、フォトブック『Going South(原題)』を出版。
Goodreads

Going South is an upcoming 2021 memoir by New Zealand a……

これはみんなの前に姿を見せない間に実は南極を旅していたというロードがその体験をまとめたフォトブックの様です。ファンたちに宛てたメールによると、この旅行が次のアルバムにインスピレーションを与えてくれたそうで、「この本はそのアルバムの先駆け」と説明しています。そしてこのspeakeasy podcastでも取り上げましたが、5月25日にスペインの音楽フェスティバル、プリマヴェーラが来年2022年のヘッドライナーとしてこのロードを発表。そしてその2週間後の6月11日に久々の新曲「Solar Power」がリリースになりました。

Lorde – Solar Power

フィービー・ブリジャーズとクレイロがバックボーカルとして参加しています。この「Solar Power」のMVでは、余暇と幸せな瞬間に焦点を当てた架空の島、コミュニティの祝福を描いているそう。この曲はリリース時にNMEがプライマル・スクリームの「Screamadelica」などと比較しました。この「Screamadelica」は1960年代後半のヒッピー・ムーブメント(=サマーオブラブ)から名前が取られた、80年代後半で起こったイギリスのダンスミュージックムーブメント「セカンドサマーオブラブ」の代表的な1枚とされていますが、今思えばこの1曲目のシングルカットや、このMVのムードはこのアルバム全体を貫いているものだと言えますね。今回のアルバム「Solar Power」には「サマーオブラブ」の匂いが詰め込まれています。

Primal Scream – Movin on Up (Lyrics)

そして「Solar Power」のリリースの後、7月22日に「Stoned at the Nail Salon」をリリース。

Lorde – Stoned at the Nail Salon (Visualiser)

ヴィジュアライザーにはナチュラルな映像が使われています。そして8月17日には「Mood Ring」がリリースに。

Lorde – Mood Ring

ここではブロンド姿になっています。そして8月20日にこのアルバムがリリースになりました。

一連のリリースの流れをこのspeakeasy podcastでは追いかけていましたが、まず印象的だったのはこのアルバムのジャケットですね。ロードのお尻がうつっているというジャケットです。僕は非常にインパクトがあって好きなんですが、割と賛否両論という感じですかね。海外ではミームとして多数画像が作られてネット上で拡散されていました。ロード自身は「この写真は楽しくて、遊び心があって、私が自由に感じている風なので、セクシーさのようなものとは、ほとんど結びつかない気がするわ。あんな風にカメラに飛び超えている自分が、ただとても幸せそうに見えたの」とコメントしています。

Goodreads

Going South is an upcoming 2021 memoir by New Zealand a……

それではこの「Solar Power」のプロダクションです。基本的にこのアルバムはロードとジャック・アントノフによって作られています。ジャック・アントノフは、ここ数年ではテイラー・スウィフトの「Folklore」と「Everemore」、ラナ・デル・レイの「Chemtrails over the Country Club」などもプロデュースしている大人気プロデューサーですが、ロードとは前作の「Melodrama」でも一緒に作業してますね。そしてこちらにクレジットがのっておりますが、

Pitchfork

Her Melodrama follow-up, co-produced with Jack Antonoff, fea…

「Solar Power」のみならず結構な数の曲にフィービー・ブリッジャーズとクレイロが参加しています。そしてサウンドはアコースティックというか、サイケデリックというかアーシーというか。上にも言いましたが、サマーオブラブのムードがたっぷり詰め込まれた作品となっています。歌詞もそういうカルチャーに大きく影響を受けていて、このアルバムを制作するにあたって「私は60年代のフラワーチャイルドの文化を深く掘り下げている。社会からドロップアウトして再出発しようとするコミューンの生活を理解したかった。当時から現代に渡り並行して続いているものとして気づいたのは、私たちのウェルネス文化、そしてスピリチュアリティ、擬似スピリチュアリティ、ウェルネス、擬似ウェルネスの文化。それは、マクロバイオティックな菜食主義、セージを焚く、水晶を持つ、タロットカードやホロスコープを読む、といったこと。これらはすべて、当時彼らが手を出していたことであり、今の私や私の女性の友人たちも手を出していることでもあるの。私は“この中にポップソングが見つかるかもしれない”と思った。」とコメントしています。

uDiscoverMusic | 洋楽についての音楽サイト

ロード(Lorde)の約4年ぶりの新作アルバム『Solar Power』が2021年8月20日に発売となり、発売週には新…

音楽メディアの評価はまちまちですね。メタクリティックというレビューの平均を出すサイトによると、このアルバムの評価の平均は70/100。しかし平均してこれぐらいの点数というよりは、非常に高い評価とそうでもない評価に割れているという感じです。The Atlanticは「ほぼ傑作」と絶賛、NMEは5つ星、Clashは9/10をつけています。

NME

The New Zealand star's third album continues her winning str…

それに比べてインディペンデント紙やEvening Standardは2つ星と厳し目の評価。

ちなみにこの「Solar Power」は「2年後に埋立地になってしまうようなものを作らない」という環境上の理由から、CDは発売されず、代わりに手書きのメモや限定写真、ダウンロード・カードが入った環境に優しい100%生分解性のハードエコボックスの“Music Box”が用意されています。

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