2025年8月、ニューアルバム『I Love My Computer』をリリースし、国内外から大きな注目を集めているオーストラリアのアーティスト、Ninajirachi(ニーナジラーチ)。オーストラリアの音楽アワード「ARIA Awards」では、最多となる8部門でノミネートを果たし、一躍その存在感を強めている。
1999年生まれ、オーストラリア・セントラルコースト出身のDJ/プロデューサー/アーティストである彼女の本名は、Nina Wilson。アーティスト名“Ninajirachi”は、ポケモンのキャラクター“ジラーチ”に由来しており、本人も『ポケモン不思議のダンジョン 時の探検隊』のサウンドトラックから大きな影響を受けたと語っている。日本の音楽やカルチャーへの関心も高く、Perfumeのファンであることを公言している。
音楽活動を本格化させたのは10代の頃。2016年と2017年には、オーストラリアの国営ラジオTriple Jが主催する高校生向け音楽発掘企画『Triple J Unearthed High』でファイナリストに選出。2017年のデビュー曲「Pure Luck」はTriple Jのhigh rotationに選ばれ、多くの注目を集めた。
2019年には1st EP「Lapland」をリリース。その後もコンスタントに作品を発表し、2020年にはdeadmau5 × The Neptunesの「Pomegranate」のリミックスを手がけるなど、国際的な評価も高まっていく。
初期の楽曲は、Future Bassやトラップ、ベッドルームポップなどを横断するカラフルな電子音楽が特徴で、2020年代に入ってからはHyperpopなどの要素も吸収し、独自のスタイルを確立。『Blumiere』(2020年)、『True North』(2020年)、ミックステープ『Second Nature』(2022年)、EP『4×4』(2023年)、そして『girl EDM』(2024年)と、次々に作品を発表してきた。
2024年にリリースされたEP『girl EDM』は、彼女自身のスタイルを象徴する作品として大きな話題に。”girl EDM”という言葉は、ファンの間でジャンル名・キャッチフレーズ・賛辞・象徴として広く親しまれるようになった。
ライブシーンでも勢いは止まらず、LollapaloozaやEDCといった世界的フェスティバルへの出演に加え、2025年にはPorter Robinsonのオーストラリアツアーでサポートアクトを務めた。日本でも、櫻坂46の楽曲「承認欲求」のリミックスを手がけたことで話題を呼んだ。
そして2025年8月、待望のデビューアルバム『I Love My Computer』を発表。ダンス、ポップ、エレクトロニック、インターネットカルチャーの要素を融合させた本作は、彼女が敬愛する2010年代の音楽を再構築し、EDMの新しい形を世界に提示している。
この作品で彼女は、ARIA Awardsにて『年間最優秀アルバム』『最優秀ソロアーティスト』を含む8部門にノミネート。さらに、2026年のCoachella出演も決定するなど、世界中の音楽ファンから今後のさらなる飛躍が期待されている。