今回はアメリカのポップ・カントリー・シンガー、ウォーカー・ヘイズをピックアップします。今年リリースされた「Fancy Like」が現在アメリカでヒット中。USシングルチャートでもリル・ナズ・Xとジャック・ハーロウの「Industry Baby」、ザ・キッド・ラロイとジャスティン・ビーバーの「Stay」に次いで3位と、トップ3に入ってきました(10/19時点)。
ウォーカー・ヘイズは1979年生まれの41歳。2002年に卒業した南バーミンガム・カレッジでは音楽の学位を取っています。2005年にプロの音楽家になろうとナッシュビルに移り住み、Nashville publishing companyでソングライティングの仕事を始めます。そしてマーキュリーナッシュビルと契約。そしてマーキュリーをすぐさま辞めて、キャピトルレコードナッシュビルと契約。そして2010年に1stシングル「Pants」をリリースします。
この「Pants」はUSカントリーチャートで最高40位、それに続くシングル「Why Wait For Summer」はUSカントリーチャートで最高42位を記録します。その後1stアルバム「Reason to Rhyme」を2011年にリリースしますが、ヒットはせずキャピトルレコードとの契約も解除に。「コストコで午前4時から働いて生計を立てる」など、音楽家としては不遇の時を過ごします。
This singer-songwriter (and father of six) is making the mos…
そんなウォーカー・ヘイズの状況が好転したのは彼が「My Angel」と呼ぶシェーン・マカナリーとの出会い。ケイシー・マスグレイヴス、ケリー・クラークソン、リトル・ビッグ・タウン、ジョン・レジェンドなどとも作業をしているシェーン・マカナリーに才能を見出され、シェーン・マカナリーのレーベルで曲をリリースしていきます。そして2017年に「You Broke Up with Me」をリリース。これがブレイクスルーシングルとなり、USカントリーチャートで9位、USシングルチャートでも62位を記録します。
そして同じく2017年にリリースされたアルバム「Boom」がUSカントリーアルバムチャート6位、USアルバムチャート37位を記録します。そして2021年の1月にリリースされたEP「Country Stuff」、ここに「Fancy Like」が収録されます。コロナウィルスのパンデミックの中でリリースされた「Country Stuff」、ウォーカー・ヘイズはこのパンデミックの中で出来ることとして「Country Stuff」収録曲でTikTokのダンス動画を作ろうと決め、家族と共にダンスする動画をアップしていきます。
そしてこの「Fancy Like」のダンス動画がTikTok上で大ヒットします。そして「Fancy Like」の歌詞の中にはアップルビーズというアメリカを中心に店舗展開をするファミリーレストランの名前が出てくるのですが、これが影響してアップルビーズのCMソングに抜擢されます。
これにより「Fancy Like」は更にヒット。そして10月にはケシャが参加したリミックスバージョンもリリースになり、チャートを駆け上がっていきます。
サウンド、MV、そしてアップルビーズのCMソング抜擢など、アメリカらしさが詰まったウォーカー・ヘイズの「Fancy Like」。主にアメリカでのヒットですが、カナダでもトップ10入りするなどアメリカ以外のチャートでも上昇しています。