今回のエピソードではビリー・アイリッシュのニューアルバム「Happier Than Ever」についてPick Upします。もう聞きましたかね?衝撃的なデビューアルバムとなった2019年の「When We All Fall Asleep, Where Do We Go?」以来となる約2年半ぶりのセカンドアルバムです。インパクトが1stに比べるとなかったと思う方もいるでしょうし、この感じのビリーが好きだという方もいるでしょう。今日はこのビリーの2ndアルバム「Happier Than Ever」についての情報を探っていきます。
まず前作のデビューアルバムは、ミュージックシーンに衝撃を与えました。僕は2018年の「You Should See Me In A Crown」という曲でビリーを知るんですけど、衝撃的でしたね。
サマソニでその2018年に来日しましたが、ライブも素晴らしかったです、今思えば本当に貴重なライブでしたよね。そして2019年にリリースされた「When We All Fall Asleep, Where Do We Go?」では、グラミー主要4部門全制覇を含む全6冠、「Bad Guy」のUSチャート制覇など、商業的にも、音楽的にも大成功を収めました。その後「Everything I Wanted」や映画「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」の主題歌「No Time To Die」など、シングルをリリース。スペインのアーティストロザリアとのコラボソングなどもリリースしましたね。
そんな中2020年1月のビルボードのインタビューで、「アルバムは今年には出ないと思うけど、今年中には制作に入る」とコメントしました。
Billie Eilish won't be releasing a new album in 2020, but he…
そしてここから、このアルバムに収録される曲がシングルとしてリリースされていくことになります。2020年の7月30日、だからちょうどアルバムリリース1年前の日にこのアルバムからの最初のシングル「My Future」がリリース。
そして11月には「Therefore I Am」、2021年4月に「Your Power」、6月に「Lost Cause」、7月に「NDA」がリリースになりました。この5曲がアルバムから先にリリースされた曲ですね。ただアルバムを通して聴くと聴こえ方が変わりますね。前の曲から繋がっていたり。で、このアルバムは、前作と同じく兄のフィネアス・オコネルと二人で作っています。フィネアスのLAのスタジオで作られてます。タイトルトラックの「Happier Than Ever」がこの中で一番最初にできた曲見たいですね。
この間のエピソード#115「海外ポップスターのドキュメンタリーブーム」で少しお話ししましたが、ビリー・アイリッシュは今年ドキュメンタリー映画「ビリー・アイリッシュ: 世界は少しぼやけている」を公開しています。本当に1stアルバムはフィネアスと家で作ったんだなというのが分かる作品ですが、その中でもアルバム制作においてプレッシャーを感じたり、ナーバスになるシーンが結構うつされているんですね。ただ、それに比べて今回は締め切りもレコード会社からのプレッシャーもなく、ビリーいわく凄くナチュラルに自信を持ってできたということです。リスナー的には1作目の方が自由奔放で2作目の苦しむんじゃないかなと思うところもありますが、ビリーのメンタル的にはそうではなかったみたいですね。
そして届いたこのアルバム、どうでした?音楽メディアも意見が割れていますが、評価は全体で言うと高いですね。まずガーディアン誌は星4つです。
On perhaps the most anticipated album of 2021, Eilish uses s…
一曲目が「Getting Older」で、このアルバムの一言目に”Im getting older”そしてその後 “I’ve got more on my shoulders”と言っているのにふれていますね。「歳を重ねていって」「いろんなものを背負っている」って感じですかね。確かにそのままガーディアン誌が述べている様に、自身の人気、名声、そしてそこからのネガティブなインパクトを主に歌うこのアルバムの象徴的な始まりです。
全体的に素晴らしいソングライティング、という風に評価しています。そしてテレグラフも星4つ。「ティーンが深夜に一人でベッドの上にいる様なサウンド」「ビリーのボーカルはデリケート」と表現。
Eilish's second album sees her tackle abuses of power in rel…
NMEは星5つ。音楽は「よりソフトで低いキー」「前作に比べてクラシックなサウンド」と表現しています。
Tackling fame with old-timey Hollywood glamour, the star has…
Pitchforkは7.8と低めの評価ですね。
この様な評価ですが、確かに今作は前作に比べるとソフトめ、優しめ、そしてクラシックな曲が詰まっています。3曲目の「Billie Bossa Nova」はボサノヴァだったり、かと思えば「Oxytocin」みたいな曲があったり、曲の感じは色々なんですが全体的に静か目ですね。
Vevoのインタビューで実際にタイムレスな作品を作りたかったと語っていて、ジュリー・ロンドン、ペギー・リー、フランク・シナトラの様なジャズシンガーから影響を受けたと語ってます。そして自分、そしてファンを驚かせることが一つのゴールだったと語っていますね。ビリー・アイリッシュといえば自分の体のラインを見せないオーバーサイズの服がトレードマークでしたが、このアルバムに向けて、体のラインを強調した衣装を着用してVogueのカバーを飾ったり、MVに出たり、あと髪もブロンドに変えたり、サプライズはたくさんありました。
ビリー・アイリッシュ、イギリス版Vogue表紙でヒップのタトゥーを初披露! グラマラスに大変身したビリーの姿にファン大興…
さて、このビリーのニューアルバムはApple Musicのプレアド機能の記録を更新しました。Apple Musicのプレアド(先行追加)機能は、タップするだけでリリース前の作品をライブラリやプレイリストに追加することができて、聴き逃しを防ぐことができる機能なんですが、1,028,000のプレアドを獲得し、Apple Music史上最もプレアドされた作品として記録を打ち立てました。今後チャートの行方も気になるところです。