今回は開催まであと1ヶ月に迫ったブリットアウォーズについて特集します。このspeakeasy podcastでは音楽アワードを、よく特集しています。で、以前も言いましたが僕の考え方は、色んな音楽アワードを楽しもう、楽しみたい、ということなんですね。日本ではグラミー以外はほぼ、大手メディアでは取り上げられることはないです。ただ、グラミーはアメリカの権威のある音楽賞ですが、他にも世界中色んなアワードがあります。で、アメリカにグラミーがあるならば、イギリスにはこのブリットアウォーズがある、という。イギリスで最も大きな音楽賞と言ってよいでしょう。それが、今年は5月12日に開催されるので、1ヶ月前特集という感じでやっていきます。
まず、このブリットアウォーズとは、どんなものなのか。これからいきましょう。
まず初めて開催されたのは1977年です。エリザベス2世の即位25年の祝典として、イギリスの音楽協会が主催したのが始まりですね。初回の最多受賞は、ビートルズ。最優秀シングルはクイーンのボヘミアン・ラプソディ。歴史を感じますね。1982年以降は毎年恒例となって開催されています。
まず、ノミネートなんですが、グラミーと比べて特徴は部門が少ない事、そしてイギリスのアーティストが基本となることですね。今年で言うとブリットアウォーズのHPを見てみるとまずマスターカードアルバム。
これはアルバム・オブ・ザ・イヤーですね。マスターカードがブリットアウォーズをサポートしているんで、こんな名前に。フィメール・ソロ・アーティスト、メール・ソロ・アーティスト、ブリティッシュ・グループ、ブレイクスルー・アーティスト、ブリティッシュ・シングル・ウィズ・マスターカード、これはシングル賞ですね。そしてインターナショナル・フィメール・ソロ・アーティスト、インターナショナル・メール・ソロ・アーティスト、インターナショナル・グループ、ブリット・ライジング・スターと。10部門のみ。わかりやすいです。しかもイギリスか、それ以外かという分け方ですね。インターナショナルとついているのが、イギリス以外のアーティストを対象にした部門なんですね。
どうやって決まるのかというところなんですが、1000人以上の関係者からの投票によって決まります。ラジオDJ、テレビの司会者、放送局役員、レコード会社代表、ジャーナリストなど。グラミーと違って、投票方法が不透明であるとか、そういう報道はあまりないですね。公平性はいまのところ批判されていません。
で、受賞者なんですが、これが面白いところで、グラミーと全然違います。イギリスのアーティストを対象にしてるっていうことから当たり前ではあるんですが、このブリットアウォーズの受賞者をみると、イギリスとアメリカの人気の違い、チャートの違いっていうのが凄くわかる様になってくるんじゃないかなと。昨年で言うとアルバム・オブ・ザ・イヤーはデイブの、ソング・オブ・ザ・イヤーはルイス・キャパルディの「Someone You Loved」、メール・ソロ・アーティスト賞はストームジー、フィメール・ソロ・アーティスト賞はメイベル。これ見ると、どのアーティストがイギリスで人気があるのか、評価されているのか分かりますよね。確かにメイベルとかはイギリスではシングル出たらチャート上位に入ってきますけど、アメリカではあまり入らないですもんね。ノミネーション、そして受賞アーティストを見るだけでもイギリスのシーンがちょっと分かるという。面白いです。
ポイントとしては、やっぱりここですね。イギリスの今のヒット、人気が分かる、指標になる、というところです。あとはパフォーマンスですね。ブリットアウォーズは過去にたくさん素晴らしいパフォーマンスがありました。
グラミー賞のように、全世界中に華やかさを放っていないかもしれないが、毎年行われるブリット・アワードは、イギリスの最も名誉…
個人的には、グラミー賞よりもブリットアウォーズのパフォーマンスに心熱くなることが多いです。特に演出ですね。ビッグアーティストがただライブをやるというだけでなく、本当に凝った、演出が多いです。最近で言うとThe 1975のSincerity Is Scaryのパフォーマンスとかね。
The 1975 performed "Sincerity Is Scary," tken from their alb…
僕は2019年、インターナショナル・アーティストとして初めて「功労賞」を受賞したP!nkのパフォーマンスとか凄い印象的でしたね。
ピンクがブリット・アワード(Brit Awards)にて新曲「ウォーク・ミー・ホーム」のパフォーマンスを行った。(フロン…
今年のノミネーションですが、もう既に発表になっています。
今年のブリット・アワードで、デュア・リパ、アーロ・パークス、セレステらが最多3部門ノミネートとなった。…
デュア・リパが3部門で最多ノミネート、これはよく分かるんですが、同じく3部門で最多ノミネートがアーロ・パークス、ジョエル・コリーと。これはブリットアウォーズならではのノミネートですよね。
今年は、コロナウィルスの影響でいつもとは違う時期に開催です。通常は2月ですが、今年は現地時間5月11日にロンドンO2アリーナで開催。で、今年のノミネーション以外の注目点ですが、まずはノン・バイナリー部門の創設の有無。ノンバイナリー・ジェンダー、自分の性認識が男女という性別どちらにもはっきりと当てはまらないというものなんですが、2019年にノンバイナリーを公表したサム・スミスがアーティストの性別に基づいてカテゴリーを分けている現在の変更を検討するように、主催者たちに提言したんですが、今年は実現されずという。今後慎重に話し合いを重ねながら変更を検討していくということなんですが、一つの大きな注目点ですね。(https://front-row.jp/_ct/17438408) あと、このspeakeasy podcastではたびたび触れているライジング・スター賞にノミネートされたRina Sawayama。彼女は26年にわたってイギリスに住んでいるんですが、ブリットアウォーズはこれまで受賞資格を「イギリス生まれのアーティスト」もしくは「イギリスのパスポートの持ち主」としていたので、Rina Sawayamaは受賞資格がなかったんですね。ただ、今回SNSで「#SawayamaIsBriitish」のハッシュタグが拡散して、資格が「5年以上UKに永住していること」というものになって、今回ノミネートされたんですね。
あとはなんと言ってもBTS。韓国のグループとして初めてインターナショナル・グループ賞にノミネートされました。
A global platform for emerging talent, i-D celebrates fashio…