#97 オリヴィア・ロドリゴのデビューアルバム「SOUR」を解説

#97 オリヴィア・ロドリゴのデビューアルバム「SOUR」を解説

今回はオリヴィア・ロドリゴのデビューアルバム「SOUR」について。遂にオリヴィア・ロドリゴのデビューアルバムがリリースになりました。2021年のポップミュージックシーンはこの人から始まったと言っても過言ではないですね。1月8日に「drivers license」をリリースして、そこからアメリカ・ビルボードチャート8週連続1位、そしてイギリスのチャートでは9週連続1位。史上最速で5億ストリーミングを突破しました。もちろんアメリカでアーティストのデビュー曲が8週連続1位になったというのは歴史上初です。このオリヴィア・ロドリゴがどういう人なのか、そしてなぜヒットしたのかという考察はエピソード59で取り上げてますので、ぜひ聴いてください。

「drivers license」のヒットの後、2曲目の「Deja Vu」を4月1日にリリース。「drivers license」が正統派なポップソングだったのに比べて、こちらはちょっとインディーポップ、サイケデリックポップという感じの音でした。アメリカでは最高8位、イギリスでは最高11位になりましたね。そしてその後、アルバムのリリース、アルバムのアートワークが発表され、アルバムリリースの1週間前に「good 4 u」がリリースになりました。こちらは前の2曲とはムードの違うパンキッシュな曲でした。で、5月21日にアルバム「SOUR」がリリースになりました。そして5月25日火曜日付のアメリカシングルチャートではこの「good 4 u」が1位を獲得。イギリスでも2位を獲得しています。

Olivia Rodrigo – good 4 u (Official Video)

まずこのアルバムは全曲ダン・ニグロがプロデュースをしています。もちろん「drivers license」も「good 4 u」もプロデュースしています。そして注目すべきは4曲目の「1 Step Forward, 3 Steps Back」。こちらにテイラー・スウィフトとFun.のジャック・アントノフがクレジットされています。オリヴィア・ロドリゴといえばテイラー・スウィフトのファンである、ということがよく知られていますが、この曲では、テイラー・スウィフトの「New Year’s Day」を使っていて、それが理由で二人がクレジットされています。

Olivia Rodrigo – 1 step forward, 3 steps back (Lyric Video)
New Year’s Day

まずこのアルバムを聴いて思うことは、色んな音が詰め込まれているということでしょう。1曲目の「brutal」はアッパーで、ポップパンク、グランジ。

Olivia Rodrigo – brutal (Lyric Video)

ちなみにアルバムでは一番最後に書かれた曲みたいですね。そして2曲目の「traitor」はバラード。

Olivia Rodrigo – traitor (Lyric Video)

そして3曲目は「drivers license」。7曲目の「enough for you」はバラードで、アコースティックなギターが印象的な曲です。

Olivia Rodrigo – enough for you (live)

10曲目の「favorite crime」はフォーキーで、終盤の声を重ねたハーモニーが特徴です。という様に本当に一つのジャンル、音にとらわれません。

オリヴィア・ロドリゴはこの「SOUR」について、実際に色んなジャンルのものを詰め込みたいと語っていて、メインストリームのポップスはもちろん、フォーク、ロック、ポップパンク、カントリー、グランジ、あらゆるものをミックスしたいと実際に語っています。Apple Musicのラジオでゼイン・ロウに語ったところによると、テイラー・スウィフト、アラニス・モリセット、ケイシー・マスグレイヴスなど彼女が愛しているアーティストからの影響があると。

Official Charts

他にもこのアルバムで、No DoubtやThe White Stripesなどのロックなどからインスパイアを受けたなどともコメントしてます。

The Face

When she released her first single, drivers license , in Jan…

他にもナイロン誌では、「good 4 u」ではポップパンクの影響は凄くあるけど、Green Dayの焼き直しにならないように気をつけた。」などとコメントしています。

Nylon

Pop’s next great singer-songwriter writes super specific lov…

とにかく色んなアーティスト、音楽から影響をうけて、ジャンルに縛られずに制作したというのは特徴ですね。で、歌詞でいうとタイトルそのままですが、テーマは「酸っぱい」「甘酸っぱい」。ティーンとかお年頃の女の子にありがちな、「甘酸っぱい」感情をテーマにしたと語ってます。失恋もあれば、悲しみ、嫉妬、色々ですね。

アートワークは紫色をバックに、タンクトップ姿のオリヴィア・ロドリゴ。顔にはカラフルなステッカー、そしてベロを出してます。よく見るとベロに貼られているステッカーにはアルバムタイトルの「SOUR」の文字。アメリカのメディア「Popsugar」によると手につけている指輪はテイラー・スウィフトから送られたものみたいですね。

Popsugar

Olivia Rodrigo lets her love for Taylor Swift show on the So…

音楽メディアからの評価はいいですね。Z世代のポップアーティストとして、各メディア好意的な評価をしています。大体100点中の80点前後、星でいうと4つとかをつけているメディアが多いですかね。

the Guardian

Rodrigo follows her smash hit Drivers License with an impres…

The Telegraph

The 18-year-old singer-songwriter, who rose to fame 5 months…

NME

After 'Drivers License', pop's brightest new thing proves sh…

Rolling Stone

On her debut album 'Sour,' Olivia Rodrigo wields breakup ang…

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