#80 NFTと音楽業界

#80 NFTと音楽業界

音楽ニュース上で目にすることが多くなったワード「NFT」=ノン・ファンジブル・トークン。ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)の仕組みを支えるオンラインデータベースのブロックチェーンに所有権を記録して、それによってデジタルアート作品の所有を証明するこの「NFT」をspeakeasy podcastなりに解剖。

今回は「NFTと音楽業界」というエピソードです。ちょっと難しそうなタイトルですね。このNFT、海外の音楽メディアを見てると最近よく出てくるんですよね。誰々がNFTでリリース。バンドがNFTでなんちゃら。今回のエピソードではこのNFTとはなんだということを、今回はやりたいなと。2021年、ちょっとキーワードになってくると思います。

僕が見つけた最近のNFTに関連するニュースはこんな感じですね。「ザ・ウィークエンドがもうすぐNFTでの曲をリリースすることを示唆」

「ホールジーがNFTオークションで、自身のアートを売却」

NME

Halsey is set to sell the art that she has painted for the f…

「キングスオブレオン、NFTで200万ドルの売り上げを達成。」

気になりますよね。今回はspeakeasy podcast的な音楽業界とNFT話を。

このNFTっていうのは略語なんですね。ノン・ファンジブル・トークンの略です。ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)の仕組みを支えるオンラインデータベースのブロックチェーンに所有権を記録して、、それによってデジタルアート作品の所有を証明するもの。

はい。もうダメ…。意味わかんない。(笑)このNFT、ノン・ファンジブル・トークンっていうのが…非代替性トークンなんですね…日本語でいうと。これがそのまんまの意味で、代替することができないトークンってことなんですよ。このシステムを使うとアート作品、音楽作品、映像データを、「コピー不可能なデジタル作品」として取引することができる様になるんです。

例えば最近バンクシーが自身のアート作品を燃やし、元のデータをオークションで販売しました。

The original print was set alight in a livestreamed video.…

インターネット上にこの画像は公開されていますので、通常ならば、コピーがネット上に溢れるために、これをオリジナルと主張するのは不可能じゃないですか。ただ、このNFTのコンテンツを購入した場合、コピーデータと同じ様にみえても…データ内に所有権証明書の様なものが書き込まれていると。これによって、デジタルのものの所有を証明することができるんですね。デジタル作品を、、所有可能な資産に変換することができるわけですね。そしてデジタルの作品を、これが本物だと証明することも可能になる。

デジタルを売ることができる様になるという他のおもしろい例なんですけど、ツイッター創業者のジャックドーシーが自身の最初のツイートをNFTにして売ってそれが3億円で落札ました。

ITmedia NEWS

Twitterのツイート第1号とされるジャック・ドーシーCEOの初ツイートのNFT(代替不可能なトークン)が、291万5…

何につかうんだというよりは、資産価値を持つ訳ですね。美術品と一緒で、それが資産になるという。デジタルでそれが可能になったということですね。

他にももう少し自分の暮らしのちかいところで考えてみると、例えばデジタルチケットをNFT化すると考えてみると。このチケットはデジタルでデータを転売することができそうなんだけれども、その中には購入者の名前、日付、会場などの固有の情報が書かれていて、チケットの交換は不可能になるということなんです。

キングス・オブ・レオンの例で言うと、彼らはアルバムのNFT版をオークション形式で出品。このアルバムはデータなんですが、メンバーが撮影した写真が一緒に入っていたり、生涯ずっと彼らのライブを最前列で楽しめるチケットが入っていたり。基本、これらはデータなんで、普通ならば、コピーされるリスクもあると思うんですが、NFTはそれを阻止することができるんですね。

音楽業界に関して言うと、アーティストの収益っていうのが本当に問題になってた。ストリーミングサイトはアーティストに収益を還元できているのかとか、フィジカルは売れないとか。それが自分のコンテンツを全く別の形で収益化できる可能性がひらけてきた。曲ってかたちのない、無形のものなので、非常に難しかったんですよね。バンクシーのオリジナル作品が、高値で売れる、資産価値を持つ用に、ザ・ウィークエンドのオリジナル作品が資産価値を持ってもいいわけですけど、それが難しかった。それができるようになるってことなんですよね。今後、NFTで音楽を売るアーティストは急増すると思うので注目です。日本でも覆面ユニットのAmPmが、未公開曲「Intro」をNFTとして発行してオークションを実施しました。

ABEMA TIMES

世界中の多彩なボーカリストを迎えて楽曲のリリースを重ねる、日本人2人組の覆面アーティスト「AmPm(アムパム)」。AmP…

NFTはまだ初期なんで、、これから色んな形がでてくるはず。

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